「タクティール・マッサージ」という言葉を耳にされたことはありますでしょうか?
 
タクティールとは、「タクティス」というラテン語の言葉に由来するもので、「触れる」という意味です。
スウェーデン発祥の緩和ケア療法、またはソフトマッサージで、ツボを刺激して筋肉をほぐすマッサージ法とは異なり、オイルを用いて優しく包み込むように触れるマッサージ法です。
「タクティール・ケア」とも呼ばれています。
 
肌と肌との触れ合いにより、オキシトシンというホルモンの分泌を促進し、ストレスに繋がるといわれているホルモンであるコルチゾールを抑えます。これによって、安心感を生み、ストレス解消へ繋がってゆくと云われています。
 
愛しいと感じるものを撫でたりさすったりする時、例えば赤ちゃんに対して母親がそうするとき、このオキシトシンというホルモンの分泌が多くなるそうですよ。
 
その他に、痛みの緩和・吐き気を和らげる・胃腸の働きの活発化する・免疫力のアップやインシュリンの分泌量のアップなど、「触れる」ことによる効果はいろいろとあるようです。
 
穏やかさや安心感というものを与えるので、感情面でもたくさんの効果を期待できます。
日本でも、認知症のケアを補完する療法のひとつとして病院や介護施設などで取り入れられ始めています。
また、ガン緩和ケア・未熟児ケア・障害者ケア・ストレスケアなど、心と心の触れ合いのマッサージとして捉えられているようです。
 
こちらが愛情をもって触れることで、相手に安心感を生むホルモンを分泌させる。ちょっぴり不思議でステキな方法ですね。
マッサージのみならず、大切なひととのスキンシップなどがとても心地よいと感じるのは、このような理由があるのですね。